辻占付マッチラベル

船橋市スクウェア21ビルの市民ギャラリーで開催中の「世界のマッチ展 吉澤貞一コレクションより」(10月6日〜11日)にて展示中の冊子(No.4、P.4)に辻占付マッチラベルの写真が掲載されていました。(画像はありません) 黒の一色刷で表ラベルには「正一位…

遠月堂の引札

本日、国文学研究資料館(立川)の「日本実業史博物館コレクションデータベース」で辻占関係の史料を探索してみたところ、遠月堂縁谷の引札「菓子屋引札」(史料群番号37TI、請求番号0151、枝番0000)がヒットしました。画像を含む引札のデータはこちらから…

『明嬉今朝之辻占』

虎屋文庫さんのHPで連載している「歴史上の人物と和菓子」のコーナーで『淡島寒月と辻占』というタイトル(2014年12月16日掲載)で遠月堂の辻占煎餅が取り上げられていました。↓ https://www.toraya-group.co.jp/toraya/bunko/historical-personage/166/ こ…

「とらやの羊羹」でおなじみの株式会社虎屋 内にある「虎屋文庫」様から、機関誌『和菓子』第22号をいただきました。今回は「地域資料に見る菓子」特集号ということで、江戸〜近現代の四地域の製菓店や文化人の記録が紹介されています。ご興味のある方はご一…

神奈川大学日本常民文化研究所特別研究員の中町泰子さんから、新著『辻占の文化史−文字化の進展から見た呪術的心性と遊戯性−』(ミネルヴァ書房、2015年)をいただきました。 序章 辻占とは何か 第一章 辻占と歌占の文字化と交錯 第二章 近世における辻占の…

船橋市の石敢當

「石敢當」という石造物を御存じだろうか。魔物が家に侵入しないように辻などの突当りに「石敢當」と刻んだ石碑を立てて直進してくる魔物の防壁としたもので、中国が起源といわれている。日本では沖縄・鹿児島地方を中心に行われているが、本来千葉県にはな…

乃木将軍と辻占売 その3

その後の今越翁ですが、弟は孤児院に預けられ、妹は生母に連れ去られ、祖母は心労が元で亡くなり、とうとう天涯孤独の身になります。 かねてから誘いがあった殿町の金箔屋に年期奉公に入り、7年の修行を経て京箔(京都の金箔造り)を学ぶために金沢を後にし…

乃木将軍と辻占売 その2

今越翁は、幼時辻占売をして家計を助け、長じては金箔職人となり、精進の結果、昭和41年に滋賀県の無形文化財第一号に指定された方です。(昭和49年3月没) 以下、今越翁の口述伝から辻占売の記述を抜粋して紹介します。*1 ・加賀前田家で御殿の料理方…

昭和B級文化研究家の串間努さんから、明治38年2月発行の雑誌『婦人と子ども』(第五巻第二号)に「辻占のお菓子」という記事があるという情報をいただきました。 調べてみると東京盲唖学校の平岩学洋氏が辻占菓子の現状を憂えて、紙片の文句の改良を5ペ…

八千代春の民俗行事〜オビシャとツジギリ〜

26日午後、八千代市立郷土博物館で開催された「平成25年度第5回やち博講座 八千代春の民俗行事〜オビシャとツジギリ〜」に行ってきました。市内のオビシャの紹介に1時間、ツジギリに30分という時間配分でしたが、由来から市内の現状まで濃密な解説がなされ…

新年のご挨拶

昨年は公私に渡りいろいろあって研究成果を掲載する機会に恵まれませんでしたが、どうやら今年は大丈夫のようです。本年は可能な限りフィールドワークに力を入れ、日頃の運動不足もついでに解消したいと考えております。 辻占菓子の季節であるお正月は終わり…

「とらやの羊羹」でおなじみの株式会社虎屋の赤坂本店で、虎屋文庫資料展「お宝満載!吉田コレクション『蘇る 江戸〜明治の和菓子の世界』展」[11月1日(木)〜11月30日(金)10:00〜17:30。会期中無休、入場無料]が開催されます。和菓子研究家吉田…

平凡社の東洋文庫608『柴田収蔵日記2』に辻占昆布と辻占本(占書)らしきものに関する記述がありましたので紹介します。柴田収蔵(1820−1859)は新潟・佐渡出身の洋学者で身の回りの出来事や金銭の出入りを記録していましたが、嘉永3年(1850)に書かれた…

「とらやの羊羹」でおなじみの株式会社虎屋 内にある「虎屋文庫」様から、機関誌『和菓子』第19号をいただきました。今回は「吉田コレクション」特集号ということで、和菓子研究家の吉田隆一氏が三十数年に渡って収集した江戸〜近現代の和菓子関係史料のうち…

甲南女子大学文学部菊池眞一先生から『甲南国文第59号』をいただきました。この中に収録されている先生の『春霞楼・鶴亭秀賀の都々逸本端唄本』という論文で、小生の手元にある『[辻占端唄]とゞ一大よせ』が翻刻&紹介されていますので、ご興味のある方は…

「とらやの羊羹」でおなじみの株式会社虎屋さんが所有する雛人形、雛道具のコレクションを南青山の根津美術館が2月25日(土)から4月8日(日)まで展示するという案内をいただきました。6年前にも同じ企画が行われたのですが、その時拝見した精巧な人…

グラフィックデザイナーで縁起菓子研究家の溝口政子さんと虎屋文庫の中山圭子さんが共著で『北海道から沖縄まで 福を招く お守り菓子』という本を出版されました(講談社、税別1500円)(写真) 辻占菓子についても16ページを費やしていろいろ書かれています…

体調の不良につき

今般の冷え込みで体調を崩してしまいました。季節の変わり目にはよくあることですが、記事の更新は今週いっぱいお休みとさせていただきます。

膝栗毛滑稽辻占 その34

歌川重政画『膝栗毛滑稽辻占』は十返舎一九の『東海道中膝栗毛』の二次創作である。32コマ中18コマ、川崎、戸塚、藤沢、平塚、小田原、沼津、吉原、蒲原、藤枝、嶋田、金谷、掛川、日坂、袋井、浜松、舞坂、新居、藤川の絵が原作に由来している。このう…

膝栗毛滑稽辻占 その33

歌川重政画『膝栗毛滑稽辻占』最終回の第32コマは藤川。喜多さんが宿場のはずれの家にいた娘*1の手をつかんだところ、娘が腕にしがみ付いて離れない。物音に気付いた娘の父親、弥次さんを交えて一騒動起こすというもの。添え文は「わたしやおまへにぼつと…

膝栗毛滑稽辻占 その32

歌川重政画『膝栗毛滑稽辻占』第31コマは新居。添え文には「あらゐきよめしこのからた(洗い清めしこの体)」とあるものの、船中の人々は皆鼻をつまんでいる。舞坂〜新居の船に乗っていた蛇遣いについて、原作では「としのころ五十ばかりの、ひげむしやむ…

膝栗毛滑稽辻占 その31

歌川重政画『膝栗毛滑稽辻占』第30コマは舞坂。舞坂から船に乗り、浜名湖の対岸の新居までは1里の船旅。その船中で同乗した蛇遣いの蛇が逃げて大混乱。喜多さんが蛇を脇差で押さえつけたところ、巻き付いたので一緒に海に捨てると、蛇は沈んで脇差はプカ…

膝栗毛滑稽辻占 その30

歌川重政画『膝栗毛滑稽辻占』第29コマは浜松。宿屋に呼んだ按摩から幽霊が出ると聞いた2人、夜中に尿意を催して庭で小用をしようと雨戸を開けたところ、庭の隅に何やら白い影がある。弥次さんが恐怖のあまり気絶して騒ぎとなるが、実は洗濯で干したまま…

膝栗毛滑稽辻占 その29

歌川重政画『膝栗毛滑稽辻占』第28コマは見付。原作では通過するが、こちらでは宿で芝居風の見得を切りながら男と対峙している。「見付られたが百ねんめ(見付けられたが百年目)」とあるから、この男三島宿で弥次さんの路銀を盗んだ護摩の灰なのかもしれ…

膝栗毛滑稽辻占 その28

歌川重政画『膝栗毛滑稽辻占』第27コマは袋井。原作では掛川から袋井に向かう途中、昼なお暗い坂道で物乞いに声を掛けられて両人びっくりしたが、こちらの添え文には「こわさしのんでよるのみち(怖さ忍んで夜の道)」とあり、夜の旅という設定になってい…

膝栗毛滑稽辻占 その27

歌川重政画『膝栗毛滑稽辻占』第26コマは日坂。東海道五十三次の順で行くと金谷→日坂→掛川と来るはずだが、ここでは掛川宿の次に日坂宿のコマが来ている。添え文を見ると「こゝろの駒がくるひだす(心の駒が狂い出す)」。馬が暴れて弥次・喜多がそれを避…

膝栗毛滑稽辻占 その26

歌川重政画『膝栗毛滑稽辻占』第25コマは掛川。宿場の茶屋で酒を飲んでいる座頭の2人組を見つけた喜多さん、塩井川で川に突き落とされた意趣返しにと2人が注文した酒をこっそり盗んで飲んでしまう。酒が無くなった座頭は茶屋の亭主に量を誤魔化されたと…

膝栗毛滑稽辻占 その25

歌川重政画『膝栗毛滑稽辻占』第24コマは金谷。宿場から駕籠に乗った喜多さんに物乞いの巡礼がつきまとい、やりとりの最中に突然駕籠の底が抜けた。駕籠かき2人は急場しのぎに自分の褌を外し落ちた底と駕籠の胴を括って喜多さんを乗せようとしたが、胴中…

膝栗毛滑稽辻占 その24

歌川重政画『膝栗毛滑稽辻占』第23コマは嶋田。大井川の川越人足の代金を値切ろうと弥次さんが喜多さんの脇差を借りて二本差しで武士を装い問屋と談判するも、大刀に見せかけるために長く伸ばした鞘の袋が柱に当たって折れ曲がり正体が露見する。添え文は…

膝栗毛滑稽辻占 その23

歌川重政画『膝栗毛滑稽辻占』第22コマは藤枝。弥次さんが座頭の二人連れを騙して川を渡ろうと画策している絵が描かれているが、これは原作では塩井川*1が舞台。藤枝では地元の男性と道でぶつかってちょっとした諍いになるが、その話は無視されている。添…