沢村版『花のたよりこいの辻占』（製作時期：明治初期。『つじうらづくし』よりは後）から「まだはじまりだよ（まだ始まりだよ）」｡描かれているのは尾張万歳*1の太夫のようだ。「名前は『おわり（終わり）』でも、まだ演じ始めたばかりです」という洒落。 *…

沢村版『つじうらづくし』より「あてにおしでないよ（当てにおしでないよ）」｡朋輩が遊女に対して、情夫の懐を当てにし過ぎないよう警告しているのだろうか。廓では紋日に着物を新調するが、その費用は情夫が出してやるのが慣わしになっている。とはいうもの…

沢村版『つじうらづくし』より「にようぼがあるのもしやうちだよ（女房があるのも承知だよ）」｡本妻への宣戦布告で、今後ドロドロした三角関係が展開される予感…。

沢村版『つじうらづくし』より「おやうれしいよ（おや、嬉しいよ）」｡添えられているのは、二つ枕の絵。日常ありふれた文句に絵をちょこっと加えるだけで、受ける印象が一転して艶かしくなる。今回は、絵師のお手柄。

沢村版『つじうらづくし』より「ちんちんかもかも」｡3月22日の「いまにちんちんかもでくらしますよ（今に仲睦まじく暮らしますよ）｣（加賀吉版『新板こゐの辻占』）の短縮形といえる。複数の辻占絵で取り上げられる程だから、「ちんちんかもかも」という言い…

沢村版『つじうらづくし』より「ほどがいい人だよ（程が好い人だよ）」｡洗練された粋な人だよということで、二枚目顔の若旦那が描かれている。美形で若くて金持ちの通人なら、廓でもてない訳がない。