2011-09-01から1ヶ月間の記事一覧

今日の辻占

歌川房種画『新板辻うらづくし』より、「むかふみつたよ(向こう見ずだよ)」。豆絞りの手ぬぐいの鉢巻と江戸張提灯から祭礼で神輿などを担ぐ気風のいい江戸っ子が目に浮かぶ。

今日の辻占

歌川房種画『新板辻うらづくし』より、「けむつたいよ(煙ったいよ)」。「煙ったい人」という意味もあると思うが、煙突の絵が添えられている。煙は二方向に流れており、右奥方向はスッと立ち上り、左手前方向は強風に吹き流されているように見える。これは…

今日の辻占

歌川房種画『新板辻うらづくし』より、「しんにかわいゝよ(真にかわいいよ)」。芥子坊主風の女児の人形が描かれているが、かわいらしさがあまり伝わってこない。手元に置いて遊んでいると、無愛想でもかわいく感じるんだろうか。

今日の辻占

歌川房種画『新板辻うらづくし』より、「ちゑがあるよ(知恵があるよ)」。添え絵の手前は木組みを利用したパズルで、後は中国式知恵の輪「九連環」の一種だろうか?大雑把に描かれているため、判別できず悔しい。

今日の辻占

歌川房種画『新板辻うらづくし』より、「だまされたよ」。添え絵はお稲荷さんに奉納する狐の小像。神様の使いになったり、人を騙したりと狐にも善玉、悪玉がいるんだなぁと改めて感じる。

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歌川房種画『新板辻うらづくし』より、「あめをくわせられたよ(飴を食わせられたよ)」。「御飴」と描いた棒飴の袋と「白玉」と描いた袋の絵が添えてある。「飴と鞭」という言葉もある通り、人心の掌握には鞭だけでなく飴も必要。遊郭にとって遊女は金の卵…

「とらやの羊羹」でおなじみの株式会社虎屋の赤坂本店で、第74回虎屋文庫資料展「和菓子を作る−職人の世界−」展[9月28日(水)〜11月6日(月)10:00〜17:30。会期中無休、入場無料]が開催されます。和菓子製造の写真・動画、製造道具、製菓関係史料…

今日の辻占

歌川房種画『新板辻うらづくし』より、「つらかにくいよ(面が憎いよ)」。鬼の面と張扇の絵が添えてあるが、遊女を折檻する遣り手婆のことをいっているのだろうか。

今日の辻占

歌川房種画『新板辻うらづくし』より、「あわせものたよ(合わせものだよ)」。添え絵は貝合わせの貝。ハマグリで作られ蝶番がぴったり合うのは1組しかないため、夫婦和合の象徴として婚礼道具の一つにもなった。文句の意味は「お似合いの二人だね」といっ…

今日の辻占

歌川房種画『新板辻うらづくし』より、「とうふにかすかいたよ(豆腐にかすがいだよ)」。「糠に釘」、「暖簾に腕押し」のように手ごたえのない様を示す慣用句だが、添え絵を見るとお盆に載せた豆腐に「かすがい(鎹)」が打ち込まれている。なるほど木のお…

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歌川房種画『新板辻うらづくし』より、「まけてもあふきたよ(負けても逢う気だよ)」。遊女が好いた客に頻繁に逢いたくなるのは人情だとしても、常連客に対し代金をディスカウントするシステムは遊郭にはなかった。むしろなじみ客になるほど、衣替えの着物…

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歌川房種画『新板辻うらづくし』より、「おまよいてないよ(お迷いでないよ)」。田圃の中の一本道と道標が描かれているが、吉原は浅草寺の裏手の田圃の中にあったので、廓へと向かう道中と思われる。文句の本当の意味は「迷子になるな」ではなく、「逡巡し…

今日の辻占

歌川房種画『新板辻うらづくし』より、「きしようまであけるよ(起請まであげるよ)」。遊女が客に出す起請文、「年季が明けたら一緒になります」とか書いてあるけれど本心かどうか疑わしい。添え絵として寝床が描かれているが、同床異夢を暗示しているのだ…

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歌川房種画『新板辻うらづくし』より、「はらかくろいよ(腹が黒いよ)」。添え絵としてお歯黒の時に使う五倍子と鉄漿水が入った壷が描かれていることから、絵師は「歯が黒いよ」と誤読したようだ。

今日の辻占

歌川房種画『新板辻うらづくし』より、「ほくにはせぬよ(反古にはせぬよ)」。添え絵は巻手紙。遊女が切々と綴ったラブレターである。「生まれ変わっても一緒にいたい」といった言葉を書き連ねるのは、男心を引き留めるための手練手管。その手紙を反古にし…

今日の辻占

歌川房種画『新板辻うらづくし』より、「はなしがあるよ(話があるよ)」。添え絵は一ひねりして寄席の貼り紙。「噺があるよ」ということらしい。「玉輔」は初代五明楼玉輔、「馬吉」は三代金原亭馬生のニックネーム。二人は初代馬生の門人で玉輔が兄弟子、…

今日の辻占

歌川房種画『新板辻うらづくし』より、「見れはみるほとあいそかつきるよ(見れば見るほど愛想が尽きるよ)」。むつまじかった男女の仲もいったん冷え始めると坂道を転げるように悪くなるもの。終いには顔も見たくない気持ちになって、こんな文句を吐くのだ…

今日の辻占

歌川房種画『新板辻うらづくし』より、「まつみはつらいよ(待つ身は辛いよ)」。遊郭は客が来て初めて商売が成立する。なじみの客が来ないと商売上がったりだから、辛いのはよくわかる。添え絵には「待つ」と「松」を掛けて、松の盆栽が描かれている。

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歌川房種画『新板辻うらづくし』より、「あいほれたよ(相惚れだよ)」。一方添え絵は土中に埋められた藍甕と染められた布。「藍しぼれたよ」という意味だろうか?こじつけにしてはかなり苦しい気もする。

今日の辻占

歌川房種画『新板辻うらづくし』より、「ぬれてかへるよ(濡れて帰るよ)」。添え絵は店名入りの傘。急な雨でお店が差し出す傘を断る客。人目につくとまずい店に行っていたのかと勘繰りたくなる。(添え絵の店名は版元のものか)

今日の辻占

歌川房種画『新板辻うらづくし』より、「みつあけたよ(水揚げだよ)」。水揚げとは廓の一大イベントで、禿が新造となってはじめて客を取ることをいう。相手には通人の旦那が選ばれ、関係者には祝儀が大盤振る舞いされた。一方添え絵では、生け花と水を注い…

今日の辻占

歌川房種画『新板辻うらづくし』より、「おさけはおよしよ(お酒はおよしよ)」。添え絵は、袴代わりに酒枡に入れられた銚子と突き出しの小鉢。遊里や家ではなく居酒屋の雰囲気がする。呑み屋通いをたしなめるおかみさんの声だろうか。(画像の画質が以前と…

今日の辻占

歌川房種画『新板辻うらづくし』より、「すましているよ」。添え絵は桶2つと柄杓。濁った井戸水を澄ませるために放置しているようだ。酒席でツンとすましている花魁も苦海で泥水をすすっていることを暗示しているのだろうか。もしそうなら、7月13日の「たか…

今日の辻占

歌川房種画『新板辻うらづくし』より、「はなをおさきにつかふよ(花をお先に使うよ)」。花魁を先にこちらの座敷で使うよということで、添えられたのが夜桜の絵。お花見もお座敷もメインは花ということらしい。