今日の辻占

tsujiurado2011-09-21

歌川房種画『新板辻うらづくし』より、「まけてもあふきたよ(負けても逢う気だよ)」。遊女が好いた客に頻繁に逢いたくなるのは人情だとしても、常連客に対し代金をディスカウントするシステムは遊郭にはなかった。むしろなじみ客になるほど、衣替えの着物代を出すなど負担は大きくなった。この文句は単なるリップサービス、手管の一つと見たほうがいいだろう。添え絵はまとめ売りの品だろうか、重ねて紐を掛けた着物の束が描かれているが、人と物とでは商売の仕方が違うのだ。