2008-12-01から1ヶ月間の記事一覧

年末多忙につき

年末多忙につき、定期更新ができなくなってしまいました。 どうもすみません。

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「火澤ケイ」。都々逸は、「あついしかけでまよはすぢよろは いろのてくだの敵だうし(熱い仕掛けで迷わす女郎は、色の手管の敵同士)」。遊廓で相手をつとめる遊女を客は「敵娼(あいかた)」と呼んだが、昔も今も、恋は…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「風火家人」。都々逸では遊女が情夫に向って、「はらも立ふがやうきかしやんせ りんきするのもぬしのため(腹も立とうが良く聞かしゃんせ、悋気するのも主のため)」と訴えている。ただ、やたらとカッカするのはよくない…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「地火明夷」。都々逸は、「人の口にはとが立られぬ そでないうきながたつつらさ(人の口には戸が立てられぬ、然でない浮名が立つ辛さ)」。事実ではない悪評が広まり、心を痛める姿が目に浮かぶ。この危機を脱するには、…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「火地晋」。都々逸に「人目いとふてしらをばきれど いつかほにでてあらはるる(人目厭うて白をば切れど、いつか頬に出て顕わるる)」とあり、忍ぶ恋が露見する予感。徳利(袴付き)とお猪口の絵が添えてあるので、酩酊し…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「雷天大壮」。「とめちやいけないのましておくれ よつてたのみの事がある(止めちゃいけない飲ましておくれ、酔って頼みの事がある)」という都々逸。しらふで出来ない頼み事とは何だろう?後に言った言わないで争う事に…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「天山遯」。都々逸は、「ぜにはなくなるやらずのあめで 居るにやゐられずかへられず(銭は無くなる遣らずの雨で、居るにゃいられず帰られず)」。遊廓で迎えた雨の朝。名残惜しいが財布の中は小銭だけ。帰らなければいけ…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「雷風恒」。都々逸は、「思ひがけなく見合す目と目 しらぬかほするひとのまへ(思いがけなく見合わす目と目、知らぬ顔する人の前)」。周囲に関係がバレないように、こそこそする二人。「しり合たなかなればのそみかなふ…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「澤山咸」。「わたしやこりしやう見こんだからは どうでもいつしよになるかくご(私ゃ凝り性見込んだからは、どうでも一緒になる覚悟)」)という鼻息荒い都々逸。猛烈にアタックするのかと思えば、「さきより来りてとと…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「離為火」。「文明開化の便利な御世に 心の写しんはなぜできぬ」という都々逸。恋人の写真を見ながら、ブツブツ呟いているようだ。心の中を映像化する機械は、123年後の現代においても発明されていないが、将来実現す…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「坎為水」。「あややにしきにくるまるよりも ぼろを着てよとぬしのそば(綾や錦に包まるよりも、襤褸を着てようと主の側)」という都々逸。愛のためなら、貧乏も厭わないという心意気。「はじめわるくのちによし(初め悪…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「澤風大過」。都々逸は、「わたしや旧へいぬしや開化 人情のあはねいしれた事(私ゃ旧弊主ゃ開化、人情の合わねぇ知れた事)」。何だか開き直った態度だが、遊女自身が自分の職業を前近代的と評していることから、この頃…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「山雷頤」。「たがひに心へでんしんうけて そつとたよりがして見たい(互いに心へ電信受けて、そっと便りがしてみたい)」という都々逸。15時50分あたりを示す時計を眺めながら、今晩情夫がやって来るかどうかやきも…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「山天大畜」。都々逸は、「じやけんなおかたのきはとりにくし ほどがよずきりやなをこはひ(邪険なお方の気は取りにくし、程が良すぎりゃ尚怖い)」。遊女が邪険な客を相手にする場合、会話がなかなか成立しないので、気…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「天雷无妄」。都々逸は、「はこね八里は馬でもこすが こすに越れぬ恋のさか(箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬ恋の坂)」。「やうゐにのぞみとをりととのはず(容易に望み通り調わず)」というご託宣だから、先が…