2008-01-01から1年間の記事一覧

年末多忙につき

年末多忙につき、定期更新ができなくなってしまいました。 どうもすみません。

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「火澤ケイ」。都々逸は、「あついしかけでまよはすぢよろは いろのてくだの敵だうし(熱い仕掛けで迷わす女郎は、色の手管の敵同士)」。遊廓で相手をつとめる遊女を客は「敵娼(あいかた)」と呼んだが、昔も今も、恋は…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「風火家人」。都々逸では遊女が情夫に向って、「はらも立ふがやうきかしやんせ りんきするのもぬしのため(腹も立とうが良く聞かしゃんせ、悋気するのも主のため)」と訴えている。ただ、やたらとカッカするのはよくない…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「地火明夷」。都々逸は、「人の口にはとが立られぬ そでないうきながたつつらさ(人の口には戸が立てられぬ、然でない浮名が立つ辛さ)」。事実ではない悪評が広まり、心を痛める姿が目に浮かぶ。この危機を脱するには、…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「火地晋」。都々逸に「人目いとふてしらをばきれど いつかほにでてあらはるる(人目厭うて白をば切れど、いつか頬に出て顕わるる)」とあり、忍ぶ恋が露見する予感。徳利(袴付き)とお猪口の絵が添えてあるので、酩酊し…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「雷天大壮」。「とめちやいけないのましておくれ よつてたのみの事がある(止めちゃいけない飲ましておくれ、酔って頼みの事がある)」という都々逸。しらふで出来ない頼み事とは何だろう?後に言った言わないで争う事に…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「天山遯」。都々逸は、「ぜにはなくなるやらずのあめで 居るにやゐられずかへられず(銭は無くなる遣らずの雨で、居るにゃいられず帰られず)」。遊廓で迎えた雨の朝。名残惜しいが財布の中は小銭だけ。帰らなければいけ…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「雷風恒」。都々逸は、「思ひがけなく見合す目と目 しらぬかほするひとのまへ(思いがけなく見合わす目と目、知らぬ顔する人の前)」。周囲に関係がバレないように、こそこそする二人。「しり合たなかなればのそみかなふ…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「澤山咸」。「わたしやこりしやう見こんだからは どうでもいつしよになるかくご(私ゃ凝り性見込んだからは、どうでも一緒になる覚悟)」)という鼻息荒い都々逸。猛烈にアタックするのかと思えば、「さきより来りてとと…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「離為火」。「文明開化の便利な御世に 心の写しんはなぜできぬ」という都々逸。恋人の写真を見ながら、ブツブツ呟いているようだ。心の中を映像化する機械は、123年後の現代においても発明されていないが、将来実現す…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「坎為水」。「あややにしきにくるまるよりも ぼろを着てよとぬしのそば(綾や錦に包まるよりも、襤褸を着てようと主の側)」という都々逸。愛のためなら、貧乏も厭わないという心意気。「はじめわるくのちによし(初め悪…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「澤風大過」。都々逸は、「わたしや旧へいぬしや開化 人情のあはねいしれた事(私ゃ旧弊主ゃ開化、人情の合わねぇ知れた事)」。何だか開き直った態度だが、遊女自身が自分の職業を前近代的と評していることから、この頃…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「山雷頤」。「たがひに心へでんしんうけて そつとたよりがして見たい(互いに心へ電信受けて、そっと便りがしてみたい)」という都々逸。15時50分あたりを示す時計を眺めながら、今晩情夫がやって来るかどうかやきも…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「山天大畜」。都々逸は、「じやけんなおかたのきはとりにくし ほどがよずきりやなをこはひ(邪険なお方の気は取りにくし、程が良すぎりゃ尚怖い)」。遊女が邪険な客を相手にする場合、会話がなかなか成立しないので、気…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「天雷无妄」。都々逸は、「はこね八里は馬でもこすが こすに越れぬ恋のさか(箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬ恋の坂)」。「やうゐにのぞみとをりととのはず(容易に望み通り調わず)」というご託宣だから、先が…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「地雷復」。都々逸は、「とをざかるのもたがひのためよ きせうがはりにとる写真(遠ざかるのも互いの為よ、起請代わりに撮る写真)」。トラブル解消のため、一旦交際を自重する二人。だが「後には夫婦になりましょうと」…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「山地剥」。「人のうはさも七十五日 どうせ一どはいはれぐさ(人の噂も七十五日 どうせ一度は言われ草)」という、開き直った都々逸。「一たんはあしくともすへはよし(一旦は悪しくとも末はよし)」というアドバイスか…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「山火賁」。都々逸は、「くちにやださねどはをりのしはへ りんきのひのしであてこすり(口にゃ出さねど羽織の皺へ、悋気の火熨斗で当てこすり)」。口を真一文字に結んで、火熨斗を羽織に押し付けている奥方の顔が目に浮…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「火雷噬コウ」。都々逸は、「かほ見たばかりではなしもできぬ ガラスしやうじの内と外(顔見たばかりで話もできぬ ガラス障子の内と外)」。顔は見えるのに話はできない。そんな男女の恋のもどかしさを謡った都々逸。「…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「風地観」。都々逸は、「みづにさいたるアノ浮草は どこへよるのも風しだい(水に咲いたるあの浮草は 何処に寄るのも風次第)」。評は、「じぶんの一ぞんにすべからず とらるる事在べし(自分の一存にすべからず [自分…

昭和B級文化研究家の串間努さんから、辻占自販機に関連する情報をいただきました。それによると、戦前(昭和10年代)に発行された『日本娯楽商報』(日本娯楽機製作所のパンフ)の中に以下のような下りがあるとの事。 (1)「普通おみくじ機」…「此機械は石…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「地澤臨」。「わたしがみづならおまへはふねよ ういたなかでもはなりやせぬ(私が水ならお前は船よ、浮いた仲でも離れやせぬ)」という王道を行くような都々逸。「ばんじやすらかにすればととのふべし(万事安らかにすれ…

諸事繁忙につき

諸事繁忙につき、明日から月末まで更新をストップします。再開までしばしお待ちを。

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「山風蠱」。都々逸は「もしやさうかとじやすいをまはし 聞ば気になる事ばかり(もしやそうかと邪推を回し、聞けば気になる事ばかり)」。添えてあるのは名刺と名刺入れの絵。名刺自体は幕末よりあったが、鹿鳴館時代(18…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「澤雷随」。都々逸は「わかれたお人の写真をだして うらみいふたりのろけたり(別れたお人の写真を出して、恨み言うたりのろけたり)」。写真と箱の絵が添えてある。アドバイスは「もと方にかへるかたちあり(元方に帰る…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「雷地豫」。「義理と世けんの人目がなけりや 何で別れてよいものか(義理と世間の人目が無けりゃ、何で別れてよいものか)」という都々逸。破られた誓紙と(客から贈られた)簪の絵から、男側から縁を切られた遊女の嘆き…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「地山謙」。都々逸は「金がふるとて嵐いとはずに通ふ生涯の栄を見よ(金が降るとて嵐厭わずに、通う生涯の栄えを見よ)」。「雨が降るんじゃない、金が降るんだ」と嵐の中どこへ通うのかと添え絵を見れば、学校で使う石…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「火天大有」。都々逸は「にかいづくりで月見の酒えん いつかひいやり秋の風(二階造りで月見の酒宴、いつかひいやり秋の風)」。金持ちの二階建ての家で行われる月見の酒宴は、卦の「中天に掛かる(絶頂期の)太陽」の意…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「天火同人」。「はやいでんしんうみにはじようきおかに人力馬車に気車(速い電信海には蒸気[船]陸に人力[車]馬車に汽車)」という開化風景を詠み込んだ都々逸。評は「のぞみ思ふままなり」。文明の利器のおかげで人…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「天地否」。都々逸は「恋のやみぢのくらうもすぎて 見るはうれしい月のかほ(恋の闇路の苦労も過ぎて、見るは嬉しい月の顔)」。忍ぶ恋から晴れて公認の仲になった2人の嬉しさが伝わって来る。ところで、アドバイスには…