今日の辻占

tsujiurado2008-11-10

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「山風蠱」。都々逸は「もしやさうかとじやすいをまはし 聞ば気になる事ばかり(もしやそうかと邪推を回し、聞けば気になる事ばかり)」。添えてあるのは名刺と名刺入れの絵。名刺自体は幕末よりあったが、鹿鳴館時代(1851-54)以降、社交界で必需品となった。この都々逸では、奥さんが旦那の名刺入れの中に見知らぬ女性の名刺を見つけ、あれこれ悩む光景が描かれている。評の「かくし合ているていなり(隠し合っている態なり)」から、奥さんにも疑惑があるようだ。