2008-04-01から1ヶ月間の記事一覧

しばらく更新をお休みします

身内に不幸が生じたため、身辺が落ち着くまで、当ブログの更新をお休みさせていただくことにしました。しばらくの間、ご迷惑をお掛け致しますが、何卒ご容赦下さい。

東京の辻占占紙 その2

東京の辻占占紙 その2 明治43年6月の『文芸倶楽部第十六巻第八号』に安田善之助が「松の舎」のペンネームで「吉原の露店」という一文を寄せているが、そこに辻占売の集団スリが登場する。詳細は以下の通り。(文章中に一部不適切な表現があるが、言葉に配…

今日の辻占

沢村版『つじうらづくし』より「まちどろだよ」。添えてある絵を見ると、板塀の前に手ぬぐいで顔を隠した男がたたずんでいる。「まちどろ」とは辻強盗の事か?

東京の辻占占紙 その1

東京の辻占占紙 その1 一方、東京における辻占占紙の出現時期ははっきりしていない。 明治13年の『團團珍聞第百五十三号』には、「一しきり東京にてあぶり出し恋の辻占と云ふもの流行せしが」という下りがあって、この時期東京で炙り出しの辻占が流行した…

瓢箪山稲荷神社と辻占占紙 その4

瓢箪山稲荷神社と辻占占紙 その4 瓢箪山稲荷神社のやきぬき辻占は、いつ頃発明されたのだろうか?尾崎紅葉の日記『黄梅日録』を見ると、明治36年6月13日に、紅葉が関西方面の新婚旅行より帰ってきた安田善之助(後の安田財閥二代総帥)から「瓢箪山や…

瓢箪山稲荷神社と辻占占紙 その3

瓢箪山稲荷神社と辻占占紙 その3 瓢箪山稲荷神社のあぶりだし辻占は、明治35年の観光ガイドブック『大坂遊覧案内』に「瓢箪山の稲荷社は駅より二里余にあり、あぶりだしの辻占を以て名高きところとす」とあることから、同年には授与されていたことがわか…

今日の辻占

沢村版『つじうらづくし』より「たかたかとまつているよ」。「お高くとまっているよ」という意味か?それとも「爪先立ちして待っている」という意味か?絵師も判断つきかねて、高いところに鷹が止まっている絵を添えてごまかしている。

瓢箪山稲荷神社と辻占占紙 その2

瓢箪山稲荷神社と辻占占紙 その2 明治初年に山畑阿良美(顕海)が発明した占紙はどのようなものだったのだろうか? 瓢箪山稲荷神社の社報『瓢山 第十八号』(平成8年)には、現在の「おみくじ辻占」と形式、判断項目がほとんど同じの「百年以上前の木版の…

今日の辻占

沢村版『つじうらづくし』より「すけべいでへつぴりだよ(助平で屁っぴりだよ)」。「好色でつまらない人」という意味の最大級の罵倒台詞。「屁っぴり」ということで放屁する男の絵が添えてあるが、待合でこんな紙片が巻煎餅から出てきたら暗澹たる気分になら…

瓢箪山稲荷神社と辻占占紙 その1

瓢箪山稲荷神社と辻占占紙 その1 辻占占紙の成り立ちは大阪と東京とでは大きく異なるため、まず先に出現した大阪の状況から述べる。大阪の辻占占紙には、瓢箪山稲荷神社が大きく関わっている。同社の社報『瓢山 第十四号』(平成4年)で紹介されている現宮…

今日の辻占

沢村版『つじうらづくし』より「ゆるゆるおしてよ(緩々おしてよ)」。もう少し今風にいえば、「ゆるりとしてよ」か。煙草をうまそうに吸って、くつろいでいる男の絵が添えられている。

辻占占紙とは

辻占占紙とは これまでずっと辻占菓子について見てきたが、辻占売の中には辻占菓子ではなく、辻占文句を書いた御神籤のような紙を売る者もいた。ここでは、その御神籤のような紙に対して「辻占占紙(略して「占紙」)」という名称を与え、その成立や普及の歴…

今日の辻占

沢村版『つじうらづくし』より「いそぐはかちだよ(急ぐは勝ちだよ)」。ここでは「勝ち」と「徒歩」を掛けて、丸い笠を被り、鞄のようなものを肩から掛けた男の絵が添えられている。鉄道や車が普及する以前は、庶民が移動する手段は徒歩しかなかった。

今日の辻占

沢村版『つじうらづくし』より「てうてうしいわさめやすい(喋々[ちょうちょう]しいは冷めやすい)」。口数が多くて調子のよい女は、情が冷めやすいという意味。『論語』に「巧言令色鮮矣仁(こうげんれいしょく、すくなしじん)」という一節があるが、それ…

今日の辻占

沢村版『つじうらづくし』より「ししくつたむくい(猪食った報い)」。戒めを破っていい思いをした者には、それ相応の報いがあるということわざである。江戸時代、獣肉を食べることはタブーで、これを破った者には神罰が下ると信じられていた。しかし、その一…

今日の辻占

沢村版『つじうらづくし』より「くちも八丁ても八丁(口も八丁手も八丁)」。添えてある絵を見ると、表情や手のしぐさが生き生きしていて、いかにも「口八丁手八丁」といった感じがする。この画工、静物画はいまいちだが、人物画は上手い。

今日の辻占

沢村版『つじうらづくし』より「こいがおふきいしづかにおし(声が大きい静かにおし)」。描かれているのは、口を覆ってひそひそ声を出している遊女。遣手婆の悪口を言う朋輩をたしなめているのだろうか。

辻占菓子を引く作法

辻占菓子を引く作法 現在、辻占菓子で運気を見る際には、菓子を1個使う場合と3個使う場合がある。先に見た『春の若草』(3月14日)では1個、『花鳥風月』(3月15日)では3個が使われているが、過去の記録やフィクションを見ると圧倒的に1個の方が…

今日の辻占

沢村版『つじうらづくし』より「かわりやすいは人ごころ(変わり易いは人心)」。恋愛に限った事ではないが、人の心は移ろい易きもの。その心を上手く操縦してお金を巻き上げなければならないのだから、遊女も大変だ。

今日の辻占

沢村版『つじうらづくし』より「ねてもおきてもわすられないよ(寝ても起きても忘れられないよ)」。添えられている絵から遊女の台詞と思われるが、「何を」が抜けていることで、あれこれ想像を掻き立てる。想う男の事か、紋日(遊郭で特別な行事が行われる日…

戦中・戦後の辻占菓子

戦中・戦後の辻占菓子 第二次大戦中の昭和17か18年の元旦、辻占紙片の内容を気にしたアベックが易占家・田畑大有の許を訪れている。恵方?詣りの土産に買ったアラレの袋の中に「末は烏の鳴き別れ」とあったので、易で占ってほしいというものだったが、大…

今日の辻占

沢村版『つじうらづくし』より「あいそづかしはよしておくれ(愛想尽かしはよしておくれ)」。絶交するために憎まれ口をきいたり、冷淡な態度を取る事を「愛想尽かし」というが、添えられているのは巻紙らしき絵。実は、遊里では勘定書のことも「愛想尽かし」…

菓子製法書に見る辻占菓子

菓子製法書に見る辻占菓子 これまで特許・実用新案になった辻占菓子を見てきたが、一方で、ノーマルな辻占菓子はどのようにして作られたのだろうか?当時の菓子製法書にいくつか記載があるのでここで紹介したい。(以下、一部内容を補完して記述) 1.『日…

今日の辻占

沢村版『つじうらづくし』より「花ならつぼみだよ(花なら蕾だよ)」。3月28日の「いまにしらきますよ(今に開きますよ)」に通じる表現。あちらは梅の枝だが、こちらは桜の蕾が描かれている。

今日の辻占

沢村版『つじうらづくし』より「わつてみせたいむねのうち(割って見せたい胸の内)」。もし竹を割ったような性格の持ち主なら、後先考えずに自分の想いをぶちまけられるのだが、現実はなかなかうまくいかない。添えられている絵には、「かくありたい」という…

大正以降の辻占菓子その2

大正以降の辻占菓子その2 (6)その他の辻占菓子 ・「小物品入り菓子」(登録実用新案第126499号) 出願:昭和2年1月19日 公告:昭和3年9月29日 出願人 考案者 大阪市天王寺区逢阪上之町八十七番地 村上 齊 干菓子・生菓子に凹部を作りそこに…

今日の辻占

沢村版『つじうらづくし』より「たんきはそんき(短気は損気)」。気が短い江戸っ子の代表として職人風の男が描かれている。転がる茶碗、ひっくり返るお膳。ちゃぶ台が家庭に普及する以前は、各人が自分の膳で食事をとっていたから、これは「ちゃぶ台返し」の…

大正以降の辻占菓子その1

大正以降の辻占菓子その1 ここでは、大正以降の辻占菓子を、特許・実用新案資料を中心に見ていく。 (1)煎餅 ・「山田式教育辻占煎餅」(実用新案第33810号) 出願:大正3年6月12日 登録:大正3年12月14日 実用新案権者(考案者) 豊橋市大字…

今日の辻占

沢村版『つじうらづくし』より「あわびのかたおもいだよ(鮑の片思いだよ)」。実に下手くそな鮑の絵。駆け出しの画工が描いているのだろうか。文句を添えていなければ、誰も鮑とは見てくれないと思う。

サントリー(株)「なっちゃんの点取り占い」

・サントリー(株)「なっちゃんの点取り占い」 現在、サントリー(株)がソフトドリンク「なっちゃん」のサイトで、「なっちゃんの点取り占い」というブログパーツを配布している。(http://www.suntory.co.jp/softdrink/natchan/enjoy/blogparts.html)2月7…