2009-03-01から1ヶ月間の記事一覧

「とらやの羊羹」でおなじみの株式会社虎屋 内にある「虎屋文庫」様から、機関誌『和菓子』第16号をいただきました。今回は「武家社会と菓子」特集号ということで、武家の間でどのような菓子が好まれたのか、そしてそれがどのように流通したのかが、詳しく述…

体調不良につき

秋口ほどではありませんが、毎年、3月中旬から4月中旬にかけて、体調が悪くなります。今年もそろそろ始まってきましたので、今後「辻占雑記帳」の更新頻度が落ちると思います。あらかじめ、ご了承下さい。

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「火水未済」。都々逸は、「雨のふる夜に来て下さんす ぬしの実意にががをれた(雨の降る夜に来て下さいます主の実意に我が折れた)」。「あらはれぬかたち」という評から、この都々逸が遊女の独白に拠っていたことがわか…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「水火既済」。都々逸は、「いまやおそしとぬしまつよはは にくやくいなにおこされる(今や遅しと主待つ夜半は、憎や水鶏に起こされる)」。「今日行くよ」との情夫からの便りにウキウキ気分の遊女。今や遅しと待っている…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「雷山小過」。都々逸は、「たまにあふよのたのしい夢を にくやからすがじやまをする(たまに逢う夜の楽しい夢を、憎や烏が邪魔をする)」。二つ枕の添え絵が艶っぽい。逢瀬の夢を打ち破る、明烏の叫び声。「三千世界の鴉…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「風澤中孚」。都々逸は、「花はちつて葉に香をとめて うまくくはせるさくらもち(花は散って葉に香を留めて、巧く食わせる桜餅)」。桜の花と桜餅、花と葉っぱで2度楽しめます、という意味の他に、落籍しても色香を残し…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「水澤節」。都々逸は、「人にはなせばゐけんをされる といふてのびれば年がよる(人に話せば意見をされる、と言うて延びれば年が寄る)」。何のことだろうと思って添え絵を見ると、土瓶と夫婦茶碗が描かれている。遊女が…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「風水渙」。都々逸は、「ゑいざめの水はかんろの味ひなれど 覚てつめたい胸のうち(酔い覚めの水は甘露の味わいなれど、覚めて冷たい胸の内)」と、今回はちょっと調子が違う。廓での夢のような一夜が明けて、さあ帰宅。…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「兌為澤」。都々逸は、「まつておりますばんにはきつと おまへはこずとも金のかほ(待っております晩にはきっと、お前は来ずとも金の顔)」。あからさまな遊女のお言葉。遊郭で遊ぶ者、「よくいわれてもわるしとしるべし…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「巽為風」。都々逸は、「じやうかくかたくてけんごにまもる ぬしを矢文で招きたい(城郭堅くて堅固に守る、主を矢文で招きたい)」。下心に満ちた遊女からのアプローチには目もくれない、身持ちの堅い旦那。「かくなるう…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「火山旅」。都々逸は、「花になびくも世わたりゆへに こちはみすじの糸やなぎ(花に靡くも世渡り故に、こっちは三筋の糸柳)」。渡世のために遊女に身を落とす者、三味線の稽古に励んで芸道を磨く者。どちらの芸者がいい…

塞の神と猿田彦

塞の神と猿田彦 昨日紹介した習志野市の剣の祭りで、一行が根神社近くの集合場所から八剣神社へ向う際に、赤面の鼻の高い神様が行列の前に立つ。(画像)鷺沼の集落の人は「天狗」と呼んでいるが、実は猿田彦であると関係者が教えてくれた。猿田彦は『古事記…

辻占と辻切り その8

辻占と辻切り その8 毎年3月1日になると、習志野市の鷺沼地区で「剣」という奇祭が行われる。「剣」と呼ばれる銅鉾を持った8人の若者が、各戸を回って厄除けをしたり、集落のはずれで辻切りをしたりするのだが、こちらの辻切りには木札を細竹に結んだも…