今日の辻占

tsujiurado2009-03-12

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「水澤節」。都々逸は、「人にはなせばゐけんをされる といふてのびれば年がよる(人に話せば意見をされる、と言うて延びれば年が寄る)」。何のことだろうと思って添え絵を見ると、土瓶と夫婦茶碗が描かれている。遊女が思い悩んでいるのは、引退&結婚の件。置き屋の主人に打ち明ければ、大切な金蔓だから「しばし待て」と言われるのが関の山。でも、延び延びになっておばさんになったら、誰も身請けしてくれなくなるし…。ご託宣を見れば、「十のものは二つか三つかなふ」とつれない内容。天を仰いで嘆息するしかない。