今日の辻占

tsujiurado2009-03-11

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「風水渙」。都々逸は、「ゑいざめの水はかんろの味ひなれど 覚てつめたい胸のうち(酔い覚めの水は甘露の味わいなれど、覚めて冷たい胸の内)」と、今回はちょっと調子が違う。廓での夢のような一夜が明けて、さあ帰宅。喉を潤す酔い覚ましの水が、客を現実世界へと引き戻す。「すこしいろのさめたるかたちなり(少し色の褪めたる形なり)」という評は、心の内の寂寥感をいったものだ。