2009-01-01から1年間の記事一覧

グラフィックデザイナーで縁起菓子研究家の溝口政子さんから、富山県南砺市の山道製菓所の「つじうら」をいただきました。1袋15ケ入りです。

辻占研究者の中町泰子さんから、論文『近代の辻占発行元−大阪・榎本法令館の出版と販売−』(風俗史学会『風俗史学』第38号、P.49-69)の抜刷をいただきました。 「辻占占紙」の章で度々取り上げた榎本法令館の成り立ちと辻占占紙への関わりを、創業者の子…

昭和B級文化研究家の串間努さんから、瓢箪山稲荷神社の辻占玩具に関連する情報をいただきました。戦前の趣味誌『趣味の蒐集』第2巻2号(昭和7年2月)の「続伝説の玩具」(濱島静波)に、「薄板で作った瓢箪形の台座の上へ狐が座しているのと後足を上げて…

『大新板辻うらづくし』

小生の辻占絵コレクションの中に、『大新板辻うらづくし』というものがある。これまで紹介してきた色街風の絵柄ではなく、どことなく明治の教場で使われた「掛絵」風。発行年月日はなく、ただ「大阪問屋橋南詰池吉版」とある。池吉について『大阪出版六十年…

「今日の辻占」のコーナー終了の件

まとまった時間が取れず、放置気味ですみません。実は先日、これまで「今日の辻占」のコーナーで活躍していたPC&スキャナーが壊れてしまいました。今までのように1コマずつ紹介していくことができなくなったため、このコーナーは残念ながら終了させてい…

辻占研究者の中町泰子さんから、『日系チャプスイレストランにおけるフォーチュンクッキーの受容』(神奈川大学日本常民文化研究所非文字資料研究センター『年報 非文字資料研究』第5号、P.173-186)の抜刷をいただきました。 米国西海岸のチャプスイレスト…

多忙につき

多忙につき更新滞ってすみません。週一になっても月一になっても書き込みは続けていくつもりですので、思い出したらふらっとお立ち寄り下さい。

乃木将軍と辻占売 その1

東京赤坂・乃木神社脇の公園に「乃木将軍と辻占売」の銅像が建てられている。(画像)説明板によると、明治24年、乃木希典が陸軍少将の時代、用務で金沢を訪れた際に、辻占売を営みながら一家の生計を支えていた今越清三朗氏(当時8歳)と出会い、その境…

あぶり出し辻占人形の占紙

画像は、4月30日に紹介した「あぶり出し辻占人形」の占紙。 右端に「大々吉 何事も思ふ通り成就す」、右手上に「願ひ事書く所」、左手上に「あぶり出す所」、左端に「一番」(通し番号)と記されている。 占う前から結果がわかるという、考えようによっては…

甲南女子大学の菊池眞一先生から、江戸時代の女性向け教養書『女用文章倭錦』*1のコピー(抜粋)をいただきましたが、その中に簪を使った「即座占」の記述がありました。合掌して簪をはさみ、無念無想の後に手を緩めて畳の上に落とし、その向きによって願意…

あぶり出し辻占人形

画像は昭和10年代?の紙製の玩具セット。ラベルには「夢の判断と十六ゲーム あぶり出し 辻占人形」とある。問屋のデッドストック品で、軍の慰問用の紙玩具と一緒に出てきたというから、やはりそれ向きだったのか。辻占占紙は舞妓や花嫁の人形の懐に挿されて…

気候の安定とともに、ようやく体調が落ち着いてまいりましたので、日記を再開します。

「とらやの羊羹」でおなじみの株式会社虎屋 内にある「虎屋文庫」様から、機関誌『和菓子』第16号をいただきました。今回は「武家社会と菓子」特集号ということで、武家の間でどのような菓子が好まれたのか、そしてそれがどのように流通したのかが、詳しく述…

体調不良につき

秋口ほどではありませんが、毎年、3月中旬から4月中旬にかけて、体調が悪くなります。今年もそろそろ始まってきましたので、今後「辻占雑記帳」の更新頻度が落ちると思います。あらかじめ、ご了承下さい。

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「火水未済」。都々逸は、「雨のふる夜に来て下さんす ぬしの実意にががをれた(雨の降る夜に来て下さいます主の実意に我が折れた)」。「あらはれぬかたち」という評から、この都々逸が遊女の独白に拠っていたことがわか…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「水火既済」。都々逸は、「いまやおそしとぬしまつよはは にくやくいなにおこされる(今や遅しと主待つ夜半は、憎や水鶏に起こされる)」。「今日行くよ」との情夫からの便りにウキウキ気分の遊女。今や遅しと待っている…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「雷山小過」。都々逸は、「たまにあふよのたのしい夢を にくやからすがじやまをする(たまに逢う夜の楽しい夢を、憎や烏が邪魔をする)」。二つ枕の添え絵が艶っぽい。逢瀬の夢を打ち破る、明烏の叫び声。「三千世界の鴉…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「風澤中孚」。都々逸は、「花はちつて葉に香をとめて うまくくはせるさくらもち(花は散って葉に香を留めて、巧く食わせる桜餅)」。桜の花と桜餅、花と葉っぱで2度楽しめます、という意味の他に、落籍しても色香を残し…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「水澤節」。都々逸は、「人にはなせばゐけんをされる といふてのびれば年がよる(人に話せば意見をされる、と言うて延びれば年が寄る)」。何のことだろうと思って添え絵を見ると、土瓶と夫婦茶碗が描かれている。遊女が…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「風水渙」。都々逸は、「ゑいざめの水はかんろの味ひなれど 覚てつめたい胸のうち(酔い覚めの水は甘露の味わいなれど、覚めて冷たい胸の内)」と、今回はちょっと調子が違う。廓での夢のような一夜が明けて、さあ帰宅。…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「兌為澤」。都々逸は、「まつておりますばんにはきつと おまへはこずとも金のかほ(待っております晩にはきっと、お前は来ずとも金の顔)」。あからさまな遊女のお言葉。遊郭で遊ぶ者、「よくいわれてもわるしとしるべし…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「巽為風」。都々逸は、「じやうかくかたくてけんごにまもる ぬしを矢文で招きたい(城郭堅くて堅固に守る、主を矢文で招きたい)」。下心に満ちた遊女からのアプローチには目もくれない、身持ちの堅い旦那。「かくなるう…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「火山旅」。都々逸は、「花になびくも世わたりゆへに こちはみすじの糸やなぎ(花に靡くも世渡り故に、こっちは三筋の糸柳)」。渡世のために遊女に身を落とす者、三味線の稽古に励んで芸道を磨く者。どちらの芸者がいい…

塞の神と猿田彦

塞の神と猿田彦 昨日紹介した習志野市の剣の祭りで、一行が根神社近くの集合場所から八剣神社へ向う際に、赤面の鼻の高い神様が行列の前に立つ。(画像)鷺沼の集落の人は「天狗」と呼んでいるが、実は猿田彦であると関係者が教えてくれた。猿田彦は『古事記…

辻占と辻切り その8

辻占と辻切り その8 毎年3月1日になると、習志野市の鷺沼地区で「剣」という奇祭が行われる。「剣」と呼ばれる銅鉾を持った8人の若者が、各戸を回って厄除けをしたり、集落のはずれで辻切りをしたりするのだが、こちらの辻切りには木札を細竹に結んだも…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「雷火豊」。都々逸は、「思ひがとどいてうれしいへんじ あふよまつばのたたみざん(思いが届いて嬉しい返事、逢う夜待つ場の畳算)」。旦那へ送った招きの手紙に、「遊びに行くよ」と嬉しい返事。当日の宵の口、「本当に…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「雷澤帰妹」。都々逸は、「ぢよろにやふられるあめにはふられ かへりヤかかアがつのをだす(女郎にゃ振られる雨には降られ、帰りゃカカアが角を出す)」。遊び好きの旦那にとっては、踏んだり蹴ったりの展開。メッセージ…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「風山漸」。都々逸は、「いやなおきやくを大事にするも どうかおまへをよびたさに(嫌なお客を大事にするも、どうかお前を呼びたさに)」。老旦那と若い御付き。遊女の本命は若者の方だ。「おんなのかたよりあつくなつて…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「艮為山」。都々逸は、「ほれたふりすりヤむちうになつて かようふお客はこけなもの(惚れたふりすりゃ夢中になって、通うお客は虚仮なもの)」。遊女の本音が思わずポロリ。お客を愚者扱いするとは、さすがは女狐。そん…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「震為雷」。都々逸は、「人にやなぶられおまへにやけられ それじやわたしの身がたたぬ(人にゃ弄られお前にゃ蹴られ、それじゃ私の身が立たぬ)」。「ひくてあまたなれば先の気がつよくなかなかてに入らず(引く手数多な…