今日の辻占

tsujiurado2009-03-15

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「水火既済」。都々逸は、「いまやおそしとぬしまつよはは にくやくいなにおこされる(今や遅しと主待つ夜半は、憎や水鶏に起こされる)」。「今日行くよ」との情夫からの便りにウキウキ気分の遊女。今や遅しと待っていると、眠気に襲われ、そのまま寝落ち。戸を叩くような音にびっくりして目を覚ませば、水鶏が夜鳴きをしている。結局男はやって来ず、女は裏切られたと憤然とする他なかった、というもの。「はじめよしのちわるし(初め良し、後、悪し)」という評通りだ。添え絵は行灯と屏風。これで寝間を表している。