2008-11-01から1ヶ月間の記事一覧

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「地雷復」。都々逸は、「とをざかるのもたがひのためよ きせうがはりにとる写真(遠ざかるのも互いの為よ、起請代わりに撮る写真)」。トラブル解消のため、一旦交際を自重する二人。だが「後には夫婦になりましょうと」…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「山地剥」。「人のうはさも七十五日 どうせ一どはいはれぐさ(人の噂も七十五日 どうせ一度は言われ草)」という、開き直った都々逸。「一たんはあしくともすへはよし(一旦は悪しくとも末はよし)」というアドバイスか…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「山火賁」。都々逸は、「くちにやださねどはをりのしはへ りんきのひのしであてこすり(口にゃ出さねど羽織の皺へ、悋気の火熨斗で当てこすり)」。口を真一文字に結んで、火熨斗を羽織に押し付けている奥方の顔が目に浮…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「火雷噬コウ」。都々逸は、「かほ見たばかりではなしもできぬ ガラスしやうじの内と外(顔見たばかりで話もできぬ ガラス障子の内と外)」。顔は見えるのに話はできない。そんな男女の恋のもどかしさを謡った都々逸。「…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「風地観」。都々逸は、「みづにさいたるアノ浮草は どこへよるのも風しだい(水に咲いたるあの浮草は 何処に寄るのも風次第)」。評は、「じぶんの一ぞんにすべからず とらるる事在べし(自分の一存にすべからず [自分…

昭和B級文化研究家の串間努さんから、辻占自販機に関連する情報をいただきました。それによると、戦前(昭和10年代)に発行された『日本娯楽商報』(日本娯楽機製作所のパンフ)の中に以下のような下りがあるとの事。 (1)「普通おみくじ機」…「此機械は石…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「地澤臨」。「わたしがみづならおまへはふねよ ういたなかでもはなりやせぬ(私が水ならお前は船よ、浮いた仲でも離れやせぬ)」という王道を行くような都々逸。「ばんじやすらかにすればととのふべし(万事安らかにすれ…

諸事繁忙につき

諸事繁忙につき、明日から月末まで更新をストップします。再開までしばしお待ちを。

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「山風蠱」。都々逸は「もしやさうかとじやすいをまはし 聞ば気になる事ばかり(もしやそうかと邪推を回し、聞けば気になる事ばかり)」。添えてあるのは名刺と名刺入れの絵。名刺自体は幕末よりあったが、鹿鳴館時代(18…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「澤雷随」。都々逸は「わかれたお人の写真をだして うらみいふたりのろけたり(別れたお人の写真を出して、恨み言うたりのろけたり)」。写真と箱の絵が添えてある。アドバイスは「もと方にかへるかたちあり(元方に帰る…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「雷地豫」。「義理と世けんの人目がなけりや 何で別れてよいものか(義理と世間の人目が無けりゃ、何で別れてよいものか)」という都々逸。破られた誓紙と(客から贈られた)簪の絵から、男側から縁を切られた遊女の嘆き…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「地山謙」。都々逸は「金がふるとて嵐いとはずに通ふ生涯の栄を見よ(金が降るとて嵐厭わずに、通う生涯の栄えを見よ)」。「雨が降るんじゃない、金が降るんだ」と嵐の中どこへ通うのかと添え絵を見れば、学校で使う石…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「火天大有」。都々逸は「にかいづくりで月見の酒えん いつかひいやり秋の風(二階造りで月見の酒宴、いつかひいやり秋の風)」。金持ちの二階建ての家で行われる月見の酒宴は、卦の「中天に掛かる(絶頂期の)太陽」の意…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「天火同人」。「はやいでんしんうみにはじようきおかに人力馬車に気車(速い電信海には蒸気[船]陸に人力[車]馬車に汽車)」という開化風景を詠み込んだ都々逸。評は「のぞみ思ふままなり」。文明の利器のおかげで人…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「天地否」。都々逸は「恋のやみぢのくらうもすぎて 見るはうれしい月のかほ(恋の闇路の苦労も過ぎて、見るは嬉しい月の顔)」。忍ぶ恋から晴れて公認の仲になった2人の嬉しさが伝わって来る。ところで、アドバイスには…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「地天泰」。都々逸は「ねんがあけたら約束どをり きつとゆきますよそほかへ(年季が明けたら約束通り、きっと行きます他所・他へ)」。「年季が明けたらきっと貴方の許にまいります」という約束を反古にして、他店か他人…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「天澤履」。都々逸は「松と云字のはなれぬやうに 公(きみ)の木(ぼく)とのさしむかひ(松という字の離れぬように、公(きみ)の木(ぼく)との差し向かい)」。添え絵は「松」と書かれた紙。「あらそい事なかれありて…

今日の辻占

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「風天小畜」。都々逸は「ほどやきりやうはすかないけれど ほれたふりするよくととく(程や器量は好かないけれど、惚れたふりする欲と得)」。「魅力を感じない男だけれど、欲得勘定で惚れてやる」という遊女の宣言。男は…