今日の辻占

tsujiurado2008-11-06

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「火天大有」。都々逸は「にかいづくりで月見の酒えん いつかひいやり秋の風(二階造りで月見の酒宴、いつかひいやり秋の風)」。金持ちの二階建ての家で行われる月見の酒宴は、卦の「中天に掛かる(絶頂期の)太陽」の意に通じ、藤原道長の望月の歌*1を思い起こさせる。「みつればかくるのかたちなり(満つれば欠くるの形なり)」というアドバイスからもわかるように、この卦を引いたら要注意。「ひいやり」という言葉は、今の「ひんやり」よりも冷気が流れ込んで来る様が感じられて好きだ。添え絵は満月と酒器。

*1:「この世をば わが世とぞ思ふ 望月の 欠けたることも なしと思へば」