今日の辻占

tsujiurado2008-11-04

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「天地否」。都々逸は「恋のやみぢのくらうもすぎて 見るはうれしい月のかほ(恋の闇路の苦労も過ぎて、見るは嬉しい月の顔)」。忍ぶ恋から晴れて公認の仲になった2人の嬉しさが伝わって来る。ところで、アドバイスには「くるしさこらへてあんらくとなるかたち(苦しさ堪えて安楽となる形)」とあるが、「安楽になる」とは「地天泰」でよく見かける言い回し。ひょっとすると、製作の途中で「地天泰」と「天地否」の内容を入れ違えたのか。当時永島春暁は30代後半?*1長い画業の間に、誤りを見破るだけの易占の知識を得ることはできなかったのか?それとも単純なミスだったのか?添えてあるのは、きれいな満月の絵。

*1:活動を始めた慶応年間に10代後半だったと仮定