昭和B級文化研究家の串間努さんから、瓢箪山稲荷神社の辻占玩具に関連する情報をいただきました。戦前の趣味誌『趣味の蒐集』第2巻2号(昭和7年2月)の「続伝説の玩具」(濱島静波)に、「薄板で作った瓢箪形の台座の上へ狐が座しているのと後足を上げているのとの二種があって、この台座のうしろが切り抜いて中へ辻占を挟んだものを売っていました」という下りがあるとの事。
この瓢箪山の玩具については、戦前の玩具蒐集家川崎人魚洞も昭和13年2月発行の『上方』第86号の中で触れています。(「瓢箪山稲荷の辻占」:P.110-111)
「以前はねりもの製の二種の狐を竹に吊るして売ったこともあり、
其後ち板製クリヌキの狐で瓢箪形の台にのせたものも出来ていた
此台には小さい辻占の紙が挟んであった、
今は此種の変わったものも出来ているかどうか」
「続伝説の玩具」では更に「今はただ辻占だけを売り、瓢箪山の辻占と云って神社の神籤に基づいたものであります」と言及されているところから、人魚洞が触れた2番目の玩具は昭和7年以前に消滅したことがわかります。