今日の辻占

tsujiurado2009-02-28

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「雷火豊」。都々逸は、「思ひがとどいてうれしいへんじ あふよまつばのたたみざん(思いが届いて嬉しい返事、逢う夜待つ場の畳算)」。旦那へ送った招きの手紙に、「遊びに行くよ」と嬉しい返事。当日の宵の口、「本当に来るかしら」と畳算*1で来訪を占う遊女を詠んだもの。「待つ場」と「松葉(かんざし)」が掛けてある。ご託宣は、「めにみへててにとれぬかたちに(目に見えて、手に取れぬ形に)」とあるので、肩透かしを食らうおそれ大。「手管の手紙にそうそう引っかかるわけにはいかないよ」という旦那の笑い声が聞こえてきそうだ。

*1:遊里で行われた待ち人占いの一つ。簪を畳の上に落とし、落ちたところから畳の目を縁まで数え、合計が偶数か奇数かで吉凶を占う