今日の辻占

tsujiurado2008-10-04

沢村版『花のたよりこいの辻占』より「つなをわたるようだよ(綱を渡るようだよ)」。添え絵の上方に足だけ描かれているのが軽業師、下で口上を述べ、囃し立てているのが太夫見世物小屋の光景である。これを遊廓に置き換えると、前者は遊女、後者は遣手婆に相当するのではないか。遊女の日常は、お座敷の掛け持ちをしたり、紋日の工面を心配したり、手管を使って客の心を繋ぎ止めたりと、まさに綱渡り。遊女は綱から落ちるわけにもいかず、遣り手の指示に従って、不安定な足元を気にしながら日々を過ごしたのだろう。