今日の辻占

tsujiurado2008-07-28

沢村版『つじうらづくし』より「やくそくはわすれないよ(約束は忘れないよ)」。腕をまくって入墨を示す男の絵が添えられているが、当時の遊郭では、愛情表現の一つとして(無論、手管としても)、入墨を彫ることが行われた。女は男の名前に「命」の字を加えて肌に彫り込み、男もそれに応えて女の名を自分の二の腕などに彫り入れる。*1この絵をよく見ると、二の腕に2本のラインが…。複数の女の名前を彫って「約束は忘れないよ」とは、ちょっとしたブラック・ユーモアである。

*1:参照:諏訪春雄「廓の遊び」(『国文学第26巻14号』学燈社、昭和56年、P.70)