今日の辻占

tsujiurado2008-10-30

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「地水師」。「わたしの思ひは西洋ぶしん いろにそめられあをあをと(私の思いは西洋普請、色に染められ青々と)」という都々逸。表面的な意味は「私の思いは西洋建築のように、ペンキに染められて青々としています」と、今一つよくわからない。実は「いろ」はペンキの「色」と「情夫」を掛けており、「あをあを」は苦しい状態*1を示している。よって真の意味は「情夫との恋に溺れて、遊女の私は苦しい思いをしています」となる。彼女へのメッセージは、「こころだてよければしぜんとよくなるべし(心立て良ければ自然と良くなるべし)」。都々逸の「西洋普請」を意識して門柱の絵が添えられているが、肝心な青い建物は描かれていない。手を抜いたな絵師!

*1:苦しいときの息を「青息」という