今日の辻占

tsujiurado2009-02-11

永島春暁作『辻うらはんだん』より、「天風姤」。都々逸は、「へんじしかねて火ばちのはいへ 火ばしでわからぬ文字をかく(返事しかねて火鉢の灰へ、火箸でわからぬ文字を書く)」。「お前の心底が聞きたい」と迫る客。「あなたとのつきあいは金づく」とは口にできず絶対絶命の遊女。悪知恵を巡らして、導き出した答えがこれ。灰の上にあいまいな字体で返事を書き、男に好意を持っていると勝手に読ませる作戦。後で言った言わないの話になった時に逃げられるよう、準備は周到だ。「おんなはよけれどもおとこにはわるし」。結果は評の通りだろう。