今日の辻占

tsujiurado2011-07-24

歌川房種画『新板辻うらづくし』より、「たよりがきゝたいよ(便りが聞きたいよ)」。遊女が音信のない情夫を気にしているようだ。添え絵は飛脚箱。斎藤月岑が著した『増訂武江年表』の安政元年(1854)の項には「此の頃、町飛脚といふもの市中へ出て、書簡を届くるをもてなりはいとす。浅草より出たるが始めにて、所々より出づ。ちいさ成る箱を背負ひ、棒の先へ風鈴を下げる」とある*1ので、鈴の付いたこの箱は町飛脚のものと思われる。箱には版元の名前(「木屋[宗次郎]」)と住所(「馬喰丁[町]四丁目」)が書き込まれている。

*1:『増訂武江年表2』平凡社東洋文庫118、P.143