膝栗毛滑稽辻占 その20

tsujiurado2011-10-30

歌川重政画『膝栗毛滑稽辻占』第19コマは府中。弥次さんが府中に住む親類から路銀を調達したので貧乏旅行はここで終了。この後2人は宿場の西側にある安倍川遊郭へと繰り出している。この絵には出張の床屋が描かれているが、おそらく身づくろいのために宿に呼んだのだろう。昔馴染みの廓だから知人もいるだろうし、「江戸帰りのいい男」をアピールするためには身だしなみを良くしなければならない。添え文の「びんのほつれをけにかける(鬢のほつれを気に掛ける)」からは、そんな気合が伝わって来る。