膝栗毛滑稽辻占 その25

tsujiurado2011-11-04

歌川重政画『膝栗毛滑稽辻占』第24コマは金谷。宿場から駕籠に乗った喜多さんに物乞いの巡礼がつきまとい、やりとりの最中に突然駕籠の底が抜けた。駕籠かき2人は急場しのぎに自分の褌を外し落ちた底と駕籠の胴を括って喜多さんを乗せようとしたが、胴中を白い布で括った駕籠は武家の葬礼に使われるもの。一方弥次さんは護送用の唐丸駕籠に見立てて、喜多さんを罪人みたいと囃す始末。とうとう喜多さんは怒って、駕籠に乗るのをやめてしまう。添え文は「ほんとうにおつこちだよ(本当に落っこちだよ)」。弥次さんの情人(おっこち)であった喜多さんが本当に地面に落っこちたということだろう。それにしても喜多さん、風呂の底を抜いたり、天井を踏み抜いたり、駕籠から底ごと落ちたりと「抜ける」ことに縁があるのだろうか?