膝栗毛滑稽辻占 その28

tsujiurado2011-11-07

歌川重政画『膝栗毛滑稽辻占』第27コマは袋井。原作では掛川から袋井に向かう途中、昼なお暗い坂道で物乞いに声を掛けられて両人びっくりしたが、こちらの添え文には「こわさしのんでよるのみち(怖さ忍んで夜の道)」とあり、夜の旅という設定になっている。当時は街灯が無かったので旅人は夜通行するために折りたたみの提灯を携行していたが、蝋燭の明かりで照らせる範囲は広くないので、木の陰に潜む盗賊や山犬などに怯えながら歩いていた。そんな時に人に呼び掛けられたら、さすがに驚くだろう。