『天衣紛上野初花』と辻占

  • 『天衣紛上野初花』と辻占

河竹黙阿弥の『天衣紛上野初花』(明治14年)に登場する辻占も、「言葉占い」といえよう。

とら「もし勘八さん、爰(ここ)は吹きさらしで寒いから、あつちへはひつてあたつておいでな」
勘八「いや大福を喰つて居る所へ、あたつて行けとはいヽ辻占だ、今日は丁度湯島の突日だ、お虎婆アさんお前と乗りで、札を一枚買はうぢやねえか」

「言葉占い」の辻占はその後の文学作品にも取り入れられ、今日、我々は「偶然起こった物事を将来の吉凶判断のたよりとすること」も「辻占」と呼んでいる。