台湾の「聴香」

  • 台湾の「聴香」

2006年5月10日の辻占雑記帳の中で中国の「響ト」について触れたが、引越しの際に20年前に台湾で購入した本をパラパラと見返していたら、辻占に似た「聴香」という占いに関する記述があった。『台湾民俗大観2』(同威図書、1985、P.115-116)には、正月15日の元宵節の夜に農村の未婚の女性が土地公を拝んで「ポエ」(占いに使う1組の三日月状の木片)を投げ、示された方向の家に赴き、家から漏れて来て耳に入った最初の言葉から吉凶を判断するとある。
また、日本で購入した『伝統節慶』(行政院文化建設委員会、1990[三版]、P.56)という本には、8月15日の中秋節の日、女性が神様に線香を上げて願い事を告げ、その後香を携えて示された方向の門から外に出て、路上で人の会話や歌が聞こえたら、ポエを放ってこれが神様の答えかどうか占い、もし否と出たら更に道を進み、イエスという神意が出るまでそれを繰り返すとあった。
いずれも実行者が女性であるところが興味深い。