辻占と辻切り その1

tsujiurado2008-03-09

  • 辻占と辻切り その1

千葉県の民俗行事に、「辻切り(つじぎり)」というものがある。時代劇の「辻斬り」と読みは同じだが、中身は全然違う。1、2月頃、集落の入り口の木に藁の蛇や注連縄、御符などを掛けて、一年間、地区に不幸や悪疫が入らないよう願うものだ。所によっては、各戸の門にも別途サイズダウンした藁蛇や注連縄、護符が掲げられ、にらみをきかす。この時、護符に、「塞神三柱守護門也」(写真)とか「塞神八衢比古神、八衢比女神、久那土神三柱守護」と書く地区がある。
2006年5月9日の辻占雑記帳で、『袋草紙』の誦文歌「ふなとさへゆふけのかみに物とはば道ゆく人ようらまさにせよ」について、伴信友の『正ト考』の一節を引いて、「ふなとさへ」は「衝立船戸神(つきたてふなどのかみ)」(本名:来名戸之祖神、くなどのさへのかみ)、即ち「衢神(ちまたのかみ)」のことと指摘したが、この夕占の神様と上記の辻切りの神様が同じなのだ。
残念ながら夕占の風習は廃れてしまったが、辻切りの風習は今後も残って欲しいものだ。