今日の辻占

tsujiurado2008-08-16

沢村版『花のたよりこいの辻占』より「ぢぐちでおさとりよ(地口でお悟りよ)」。当時、端唄や都々逸、謎々などと並んで、地口は酒席の遊びにはなくてはならないものだった。遊客の中には通人だと思われたい一心で、地口の本から仕入れたネタを女の前で披露する者もいた。*1その一方で、遊女の側にはこの文句にあるように、自分の思いを地口のオブラートに包んで伝えられる程の教養の持ち主がいた。一流の遊女は、遊びのスペシャリストだったのだ。添えられている絵は”地口繋がり”ということで、初午の地口行灯の絵。古い団扇を行灯の上に置き、雨除けにしているのが粋だ。

*1:参照:鈴木棠三編『ことば遊び辞典』東京堂、昭和34年、P.901