膝栗毛滑稽辻占 その3

tsujiurado2011-10-13

歌川重政画『膝栗毛滑稽辻占』第2コマは品川。「あさのわかれにひく袖か浦(朝の別れに引く袖が浦)」。早朝日本橋から同道した見送り人は、高輪の大木戸や品川宿の先、鮫洲でお別れをする。その名残惜しそうな情景が描かれている。だが品川宿には岡場所*1というもう一つの顔がある。それを踏まえると、「遊女が名残惜しそうに男の着物の袖をつかんで放さない」という裏の意味があるように思えてならない。

*1:吉原とは違って気軽に遊べる幕府非公認の遊郭街。品川、内藤新宿、千住、板橋の江戸四宿が有名だった