膝栗毛滑稽辻占 その4

tsujiurado2011-10-14

歌川重政画『膝栗毛滑稽辻占』第3コマは川崎。「身はいましめのつたかつら(身は戒めの蔦葛)」。十返舎一九の『膝栗毛』に弥次郎兵衛が喜多八を狐が化けたものと勘違いして縛り上げるシーンがあるが、それは赤坂宿(愛知県)手前での出来事。川崎にはそのような記述はない。それをあえてここに置いたのは、絵の導入部で男達のどちらが弥次さんでどちらが喜多さんかを読者に示しておく必要があったからだろう。