膝栗毛滑稽辻占 その5

tsujiurado2011-10-15

歌川重政画『膝栗毛滑稽辻占』第4コマは神奈川。男が打ち水を弥次さんに掛けてしまい、喜多さんから怒られている。当時の往来は未舗装で、交通量の多い宿場付近は行き交う人や荷車のせいで土ぼこりが立ちやすかった。それを防ぐために水を撒いていたのだろう。一方、文句は「ふみはいろはのかな川のしゆく(文はいろはのかな川の宿)」。仮名の「かな」と神奈川の「かな」が掛けてあるが、更に言葉の「掛け」と絵の「水掛け」で二重の掛けになっていることがわかる。