膝栗毛滑稽辻占 その10

tsujiurado2011-10-20

歌川重政画『膝栗毛滑稽辻占』第9コマは小田原。『膝栗毛』では喜多さんが下駄で五右衛門風呂の底を踏み抜く場面が有名だが、ここでは喜多さんが先に入っている弥次さんを覗き込んでいる。添え文は「小田原そうだんてきがもめる(小田原相談で気がもめる)」。文の作者は小田原ゆかりの事物として「小田原評定」を取り上げ、弥次さんの長風呂に気を揉む喜多さんと重ね合わせている。更にこの後、風呂を壊して宿屋と「もめる」のも掛けているのかもしれない。