膝栗毛滑稽辻占 その13

tsujiurado2011-10-23

歌川重政画『膝栗毛滑稽辻占』第12コマは沼津。三島から沼津まではわずか一里半(約6km)の距離なので『膝栗毛』では茶屋で休息するだけだが、こちらには弥次さんがスッポンに噛み付かれている絵が描かれている。これは原作では三島宿での出来事。箱根から三島への途中買った亀が宿で逃げ出し一騒動起こした。ちなみに、このどさくさに紛れて護摩の灰が弥次さんの胴巻から金を抜き取っている。添え文は「ゆびおくわへちやいられない(指を銜えちゃいられない)」。『膝栗毛』の方には弥次喜多が飯盛女と一夜を過ごす下りもあるので、それも踏まえての文句であろう。