大正以降の辻占占紙 その4

tsujiurado2008-05-12

  • 大正以降の辻占占紙 その4

7.「大入りげんや辻占」(田村栄太郎発行、昭和7年、小生所有)
袋の表には花魁が描かれており、「大入りげんや 一力直しおいらん 辻占」と記されている。(画像)中の占紙の内容は易占風ではなく、神社・仏閣のおみくじに近い。(占紙の画像は明日UP)発行日は昭和7年6月5日。「編輯兼発行者 大阪市東区清水谷西之町二四八番地 田村栄太郎」とあり、法令館とは別の業者が作った占紙である。「げんや」とは、歌舞伎「与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)」で与三郎が「いやさ、お富、久しぶりだなぁ」という台詞を吐く、お富の住む妾宅がある「源氏店(玄冶店)」と何か関係があるのだろうか?また「一力」といえば、忠臣蔵にも登場する祇園御茶屋が目に浮かぶし、「大入り」という語も歌舞伎で使われる。この占紙と歌舞伎との間に何か関係があったのだろうか?
8.「巳年生運気 一名つじうら」(昭和4年、東京・中山榮之輔氏蔵)
企画展『呪いと占い』の図録P.75で紹介されている。袋の表に「宮崎八十八著 巳年生運気 一名つじうら」とあり、年末書店で売っている『○年生まれの人の来年の運勢』の本を籤に仕立てたもののようだ。