進化する辻占自販機 その2

tsujiurado2008-05-31

  • 進化する辻占自販機 その2

2.「自働辻占箱」(実用新案第65833号)
出願:大正10年5月5日 登録:大正11年9月11日
実用新案権者(考案者) 山口県都濃郡鹿野村大字鹿野上第二千八百九十八番地 宮本重胤
辻占の自動販売機を改良して、前扉の上部に辻占占紙の在庫の有無が表示される場所を設けている。(画像参照)これにより、自販機への占紙の補充が速やかに行えるようになり、販売機会の逸失を防ぐことができる。
明治39年、山口県都濃郡の二所山田神社宮司だった宮本重胤は、日露戦争によって神主が亡くなった神社のために女性にも神主の資格を与えるべきだと主張し、「大日本敬神婦人会」という全国組織を作り、『女子道』という機関誌を発行した。彼は運動費用を捻出するために機関誌印刷のノウハウを活用しておみくじを作り、全国の寺社に販売を始めた。運動の方は30年以上続いたが理解が広がらず、機関誌『女子道』は昭和17年に廃止された。その後、おみくじ事業のみが存続し、今日「女子道社」製のおみくじは6割以上の全国シェアを誇っているという。(参照:『朝日新聞』平成15年12月28日付朝刊 家庭欄「山間の里から『吉』を全国へ」)女子道社というと「おみくじの会社」というイメージがあるが、この実用新案の資料から、当時はおみくじ以外に辻占も手掛けていたことがわかる。