2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

今日の辻占

加賀吉版『新板こゐの辻占』より「さかりになつてきたよ(盛りになって来たよ)」。描かれているのは桜の花。遠めに見た姿なのか、木の枝に薄いピンク色の雲が掛かったように描かれている。パッと咲き、パッと散る桜と遊女を重ねて「盛りになって来たよ」とい…

辻占菓子の商品的位置付け

辻占菓子の商品的位置付け 「現代の辻占菓子その1〜4」を見て、辻占菓子がどういったものかおぼろげながらおわかりいただけたろうか。世間には占いに関する商品があふれているが、辻占菓子はどういった位置付けになるのだろう?試みに以下のように分類して…

今日の辻占

加賀吉版『新板こゐの辻占』より「ふけばとぶよふなからだよ(吹けば飛ぶような体よ)」。描かれているのは煙草盆。絵師は「吹けば飛ぶ」から、煙草盆の「灰吹き」(この縁を雁首で軽くたたいて吸殻を落としたり、煙管を吹いて火皿に残った灰をここに捨てた)…

ミミフタギダンゴと辻

ミミフタギダンゴと辻 『佐倉市史 民俗編』(昭和62年)を見ていたら、「ミミフタギダンゴ(耳塞ぎ団子)」という風習が載っていた。(P.699)近所で自分と同じ年齢の人が亡くなると、その年齢の数だけ団子を作り、うち1つを取って耳に当て、「いいことを聴…

今日の辻占

加賀吉版『新板こゐの辻占』より「えびでたいおつるよ(海老で鯛を釣るよ)」。鯛釣りといえば、昔はテンヤバリに海老をつけてしゃくる釣法が一般的だったが、昨今はオキアミをコマセ(寄せ餌)に用いる置き竿釣法が主流になっている。南極産オキアミで鯛を釣…

辻占と辻切り その2

辻占と辻切り その2 2006年5月10日の辻占雑記帳で、『二中暦』(編纂:鎌倉時代末)の夕占の項を紹介した時に、「堺を作り米を散らし」という下りがあった。占いをする衢の境に米を撒いて邪神の侵入を防ぎ、岐神を迎え入れるというものだが、辻切りでも同様…

辻占と辻切り その1

辻占と辻切り その1 千葉県の民俗行事に、「辻切り(つじぎり)」というものがある。時代劇の「辻斬り」と読みは同じだが、中身は全然違う。1、2月頃、集落の入り口の木に藁の蛇や注連縄、御符などを掛けて、一年間、地区に不幸や悪疫が入らないよう願う…

今日の辻占

加賀吉版『新板こゐの辻占』より「なまじみたゆへ気がもめる(なまじ見た故気が揉める)」。絵は奥が丹前風の着物を着た男で、手前は女。顔を描かず、表情は見ている者の想像に任せるという趣向。

辻で狐に化かされた話

辻で狐に化かされた話 村上昭三著『船橋の民話』(聚海書林、平成5年)をパラパラめくっていたら、次のような話があった。 倶梨伽羅不動の古狐(抄) 昔、上飯山満村(船橋市)の倶梨伽羅不動の森に古狐が棲み、道往く人々を化かして手荷物を掠め取っていた。…

今日の辻占

加賀吉版『新板こゐの辻占』より「花もみもある(花も実もある)」。絵に描かれている木は、花の色が白で、実の色が赤や黄色であることから、「白梅」と思われる。

今日の辻占

加賀吉版『新板こゐの辻占』より「ほんにういた人だ事(ほんに浮いた人だ事)」。絵は、水に浮いた瓢箪徳利と木の盃。刷りの状態が悪く、色ずれしている。「浮いた人」とは、飲み過ぎて大はしゃぎし、酒席の雰囲気をぶち壊す輩のことだろうか、それとも酒色に…

台湾の「聴香」

台湾の「聴香」 2006年5月10日の辻占雑記帳の中で中国の「響ト」について触れたが、引越しの際に20年前に台湾で購入した本をパラパラと見返していたら、辻占に似た「聴香」という占いに関する記述があった。『台湾民俗大観2』(同威図書、1985、P.115-116)…

今日の辻占

加賀吉版『新板こゐの辻占』より「大じよふぶかねのわきさし(大丈夫鉄の脇差し)」。「竹光ではなく真剣に物事考えているよ」という意か。絵に力士が描かれているのは、刀の「脇差」と相撲の「脇を差す」を掛けているのだろう。

今日の辻占

加賀吉版『新板こゐの辻占』より「いまにたんともふかるよ(今にたんと儲かるよ)」。さし絵に小判や銀貨(一分銀?)、藩札が描かれているが、貨幣単位が両から円・銭・厘へと切り替わるのが、明治4年5月10日(新貨条例公布)、また藩札の通用も同年7月14日に…

市川市宮久保にあった「袖掛の松」

市川市宮久保にあった「袖掛の松」 2006年5月7日の「万葉期の夕占」で「袖切坂」の伝承について触れたが、千葉県市川市宮久保の白幡神社の参道脇に「袖掛の松」があった。(写真右手奥辺り)今は舗装されているが、この道は昔ひどいどろんこ道で、この坂道で…

今日の辻占

加賀吉版『新板こゐの辻占』より「ふうふやくそくしておいた(夫婦約束しておいた)」。約束を書面にしてもゴールインするとは限らない。遊里の恋とは所詮そんなもの。